以下、情報化白書 2000 に寄稿したもの (文末表現、接続語等を時代に合わせて一部改変)。
Java には「プログラミング言語としての Java」と「実行環境としての Java」の 2 つの側面がある。言語としてのJava はオブジェクト指向であり、言語の一部としてクラスライブラリが提供される。言語仕様は C++ の流れを汲んでいるが、バグの原因となりやすいポインタをなくし、メモリ管理も自動化しているなどの特長を持つ。実行環境としての Java の理念は「1度書けばどこでも動く」というものである。通常 C/C++ 言語などで書かれたプログラムではコンパイル後、特定のプラットフォーム (OS) 上でしか動作しないが、Java では同一の Java プログラムが異なるプラットフォーム上で動作するようになっている。これは Java のコンパイルされた結果であるバイトコードと呼ばれる中間コードが、それぞれのプラットフォームごとに用意された Java VM (Virtual Machine) で動作するという仕組みのためである。
1995 年に最初の Java がリリースされて以来、Java の進展と共にそのライブラリの数も膨大なものとなり、開発元の Sun Microsystems は 1999 年 7月、Java をアーキテクチャーごとに 3つに分けて整理した。すなわち、Java 2 Platform, Standard Edition (J2SE)、Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE)、Java 2 Platform, Micro Edition (J2ME) で、それぞれデスクトップ向け、サーバ向け、携帯端末向けの Java である。
Java と言えば当初はクライアント側のブラウザ上で動作する Java アプレットが有名だったが、最近ではサーバ側の J2EE としてアプリケーションサーバ上でビジネスロジックの記述やデータベースとの連携に適用されることが多くなってきている。
また、携帯端末に J2ME を適用する動きも活発である。韓国の LG テレコムは世界で初めて携帯電話に Java を載せ実用化しており、日本でも NTT ドコモが 2001 年早々に Java のプログラムが動作する携帯電話を発売している。
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